こんにちは。
「猫の歯が、最近伸びてきた気がする…」といった相談を受けることが時々あります🐈
実は歯そのものが伸びているわけではなく、歯全体が正常な位置よりも長く伸びたように見える状態で、これを「挺出(ていしゅつ)」と言います。
今回は犬歯に挺出(ていしゅつ)が見られた猫ちゃんの症例をご紹介させていただきます🐈
【症例】
- 猫種 MIX
- 年齢 4歳
- 性別 避妊雌
- 病名 挺出(ていしゅつ)
- 処置 歯石除去
・Before
全身麻酔下で、口腔内を詳しく評価したところ全ての犬歯に挺出(ていしゅつ)が認められました。
・After
専門の器具を使用し、歯に付着した歯垢や歯石を除去する「スケーリング」を行いました。その後、研磨剤を用いて歯の表面を研磨し、表面を滑らかにすることで歯石を付きにくくする「ポリッシング」を行いました。
■ 挺出(ていしゅつ)とは
挺出(ていしゅつ)とは、
「歯全体が正常な位置よりも長く伸びたように見える状態のこと」です。
挺出は見た目の変化で気付かれることもありますが、症状が分かりにくく、歯科処置や健康診断の際に偶然発見されることも少なくありません。
上顎犬歯に多く、下顎犬歯にも認められることがあります。
はっきりとした原因はわかっていませんが、吸収病巣と呼ばれる歯が溶ける疾患や歯周病が原因となっていることもあります。
■ 挺出(ていしゅつ)を放置すると…
挺出を放置すると、以下のような症状に繋がる可能性があります⚠️
・痛みが出る
歯が唇や歯茎に当たり続けることで痛みが出て、触られるのを嫌がる
・傷や口内炎
歯が繰り返し当たることで、お口の中に傷や口内炎ができる
・よだれが増える
お口の違和感や炎症の影響で、よだれが増える
・歯周病の悪化
歯の位置が変わることで汚れが溜まりやすくなり、歯周病が進行する
・歯が抜ける
歯が埋まっている部分が少なくなることで、歯がグラグラしたり、最終的に抜けてしまうことがある
【治療】
挺出した歯は、状態に応じて治療を行います。
・歯周病治療
軽度の場合は、歯石除去や歯周ポケットの洗浄を行い、お口の環境を整え炎症の改善を目指します。
・抜歯
挺出した歯がグラグラしていたり、痛みが強い場合は抜歯を行います。
■ 最後に
挺出を放置すると、歯周病の進行やお口の環境悪化に繋がり、最終的に歯が抜けてしまったり、抜歯が必要になることがあります🦷💦
猫ちゃんは痛みや違和感を隠してしまうことが多いため、症状が出た時には進行していることもあります。
挺出そのものを完全に予防することは難しいですが、定期的な歯科検診やデンタルケアを行うことで、お口の異常を早期発見できる可能性があります。
「歯が長く見える」「口を気にしている」などの変化があれば早めに動物病院を受診しましょう。
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