高齢犬や小型犬に多い
「口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう」という病気を知っていますか🦷❓
口腔鼻腔瘻とは、主に重度の歯周病が原因で歯を支える歯槽骨が溶け、口の中と鼻の間に穴があく病気です。
病状が進行すると、鼻汁・鼻血、くしゃみ、口臭、食欲低下などの症状が見られることがあります。
今回は長引く鼻汁で悩んでいた17歳の高齢トイプードルの症例をご紹介させていただきます。
【症例】
- 犬種 トイ・プードル
- 年齢 17歳
- 性別 去勢雄
- 症状 鼻汁が垂れて夜も眠れない
- 病名 重度歯周病、口腔鼻腔瘻
- 処置 歯石除去、抜歯・縫合
・Before
2年前から鼻汁の症状があり他院で治療を行っていましたが、高齢なこともあり手術はせず抗生剤での治療を行っていました。
ですが、完治はせず鼻水が悪化して夜も寝れない状態になってしまったため当院に来院されました。
全身麻酔下にて歯科検査、歯科専用レントゲン検査を実施したところ全体的な歯石の付着・重度歯周病・口腔鼻腔瘻と判断しました。
かなり重症化した歯周病と計3カ所の口腔鼻腔瘻のため残せる歯が殆どなく下顎の犬歯以外の抜歯・縫合を行いました。
専用のドリルを使用し、必要に応じ歯を分割、抜歯部位の治りをよくするために基本的に歯肉縫合を行います。
縫合に使用する糸は、髪の毛よりも細い糸を使用しております。
1ヶ月ほどで溶ける糸を使用するので、基本的には抜糸の必要がありません。
残した歯は専用器具を使い、歯の表面や歯周ポケットの歯石を取り除く「スケーリング」を行いました。
その後、「ポリッシング」を行いました。これは研磨剤を用いて歯の表面を平らに整え歯石が付きにくくするため行います。
・After
鼻腔内からは多くの膿・壊死物が取れました。
手術後はだんだん鼻水も減っていき、わんちゃんもすっかり元気になり、完治しました。
■ 口腔鼻腔瘻とは?
主に重度の歯周病が原因で歯を支える歯槽骨が溶け、口の中と鼻の間に穴があく病気です。
・どんな症状が出るの?
・鼻汁・鼻血→特に片方の鼻から膿や血液が混じった鼻水が出る。
・くしゃみ・口臭→食事中や水を飲んだ時に激しくくしゃみをしたり、口臭が非常に強くなる。
・食欲が落ちる→体重減少
・口腔内の感染 etc…
・診断
口腔鼻腔瘻の診断は、口腔内の検査や歯科レントゲン検査・CT検査によって行います。
・治療
口腔鼻腔瘻の治療では原因となっている歯の抜歯を行い、その後抜歯によってできた穴や口腔鼻腔瘻の穴の中の膿や不良肉芽など綺麗に取り除き、歯肉粘膜を剥離・移動させて縫合し、物理的に閉じます。
抜歯後のケアでは抗生剤や消炎鎮痛剤を使用します。
■ 最後に
口腔鼻腔瘻は、進行した歯周病のサインです。
・鼻水が長引く
・食事中にくしゃみをする
・口臭が強い
こうした症状が見られたら、早めに動物病院で口腔内をチェックしてもらいましょう。
定期的な歯科検診と歯石除去で、重度歯周病や口腔鼻腔瘻の予防が可能です。
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