こんにちは。看護師の齊藤です👩
まだまだ寒い時期が続きますが、春が近づいてきています。
さて、春といえば予防シーズン到来です🌸💉
わんちゃんのフィラリア予防は常識となっていますが、実は猫ちゃんもフィラリア予防が必要なのをご存知でしょうか?
猫がフィラリアに感染すると重篤な症状が出たり、場合によっては突然死を引き起こすこともあるんです💦
今回は猫のフィラリア予防の重要性に関してお話ししていきたいと思います
■ 猫のフィラリア症とは?
フィラリア症は、蚊に刺されることによって感染する寄生虫の病気ですね。フィラリアは別名 “犬糸状虫” ともいい、犬が本来の宿主です
しかし、蚊は血を吸う相手を選びませんので、フィラリアが猫の体内に入りこんでしまうことがあります
本来は犬に寄生するはずのフィラリアが、間違って猫に感染してしまい様々な症状を引き起こすのです。
では運悪く、フィラリアが猫に入り込んでしまったらどうなるのでしょうか
猫の体内に入り込んだフィラリア幼虫🐛
本来寄生することのない猫の体内に入ってしまった場合、猫の免疫反応によってフィラリア幼虫は死滅し、そのほとんどは成虫になることはありません。
成虫の一歩手前の第五期幼虫(L5)というところまでは成長しますが、その後は死んでしまうことが多いのです。
…「じゃあ心配しなくてもいいんじゃない?」
とお思いになるかもしれませんが、そんなことはありません😭
やっかいなことに、このフィラリア幼虫の死骸がトラブルを引き起こすことが多いんです⚠️
■ 猫のフィラリア症の症状は?
猫のフィラリア症の症状は、犬とは異なり咳や息切れなどの呼吸器症状が多く見られます。これはフィラリア幼虫たちの死骸が血管や肺で急性の炎症を引き起こすためです。
次に多い症状として嘔吐があり、その他食欲不振、下痢、体重減少、頻脈、発作などがあげられます。
基本的には成虫まで成長することは稀ですが、中には猫の体内でも成虫まで成長する猛者がいます😳❗️
猫の心臓は小さいため、寄生数が少なくても重症化する場合があります😣心臓血管に虫体がつまり、突然死を招くことも…。
最終的にフィラリアが寿命によりいなくなっても、すでにここまでの戦いで、猫の肺組織はボロボロ💦これは残念ながら治癒せず、慢性的な呼吸器障害が残ることになることが多いんです。
・ 咳
・ 息切れ
・ 嘔吐
・ 体重減少
・ 食欲不振
・ 頻脈、不整脈
・ けいれん発作
・ 突然死
■ 診断が難しい💦
フィラリアの検査方法には大きく2つ、「抗原検査」と「抗体検査」があります。
「抗原検査」は、犬ではおなじみの検査なのですが猫では検査の感度が低く、また「オスの虫は見つけられない」「幼虫は見つけられない」という弱点があります💦
一方「抗体検査」は、病原体に対する抗体を検出する検査法のことで、オスもメスも幼虫も関係なく反応しますが、「今いるのか」「昔いたのか」がわかりにくく、反応率も残念ながらあまり高くありません。
他にも、レントゲンやエコーなど画像の検査も組み合わせて診断しますが、猫のフィラリア症の診断を確定させるのは非常に難しいのが現状です😢
■ お外行かないし予防はいらないんじゃない?
感染したねこの約4割が室内飼育、という報告も🙀
蚊は室内でも簡単に入ってきてしまいますね🏡
そのため、室内で飼っているからと言って、フィラリアに感染しないとは言い切れません⚠️
完全室内飼いで高層マンションの猫にも発生しているとの報告もあります🐈
猫がフィラリアに感染すると根治療法はありません
猫がフィラリアにもし感染してしまった場合、治療としては今出ている症状(呼吸器症状など)に対する対症療法がメインとなります。
ですが、一度症状が出てしまうと短期間であっても肺の組織構造が破壊され、内科的な対症療法を一生涯続けなければならない場合もあります💊
予防が1番の対策法
また、対症療法と併用してお薬を投薬し続け幼虫が未成熟虫になるのを防ぎ 数を減らしていく方法や、猫の心臓から成虫を取り出す方法などがあります。
しかし、どちらも猫にとって大きな負担となり命が危険にさらされることもあるんです😿
だからこそ、予防が一番の対策です🏥
予防は月に1回首の後ろに滴下するだけでとても簡単です。
■ まとめ
日本人で蚊に刺されたことのない人はほぼいないのではないかと思います。猫も同様、蚊に刺されてフィラリアに感染するリスクは常に潜んでいるのです。
猫のフィラリア症は気づかないうちに発症し、突然死してしまうこともある恐ろしい感染症です。
しかし、しっかり予防していれば防ぐことができる疾患でもあるので、定期的な予防でフィラリア症から愛猫をしっかり守ってあげましょうね😸💕