「最近、愛犬の口が急に臭くなった…」
「歯が欠けてから口が臭う…」
このような症状はありませんか?
これらは「破折」が原因になっていることもあります。
今回は、破折と口臭の関係について紹介します🦷
・症例
【犬種】 ボーダーコリー
【年齢】 1歳
【性別】 避妊雌
【症状】 歯が折れた、口臭
【診断】 複雑破折、歯周病
【処置】 抜歯・縫合
全身麻酔下にて歯科検査・歯科レントゲンを実施し、破折した歯の状態を詳しく確認しました。
その結果、露髄(神経の露出)が認められ、歯が歯肉の中まで割れており、歯根を損傷していたため歯を温存することが難しいと判断し抜歯を実施しました。
抜歯後は傷口を保護し治りを早くするため、1ヶ月ほどで溶ける糸を使用し縫合しました。
処置後、口臭は改善しました。
・治療前
・治療後
■ 破折とは?
歯の一部が欠けたり、根元まで割れたりする状態です。
原因としては
・硬すぎるおもちゃや骨やガムを噛む
・交通事故や転倒などの外傷
などがあります。
特に上顎や下顎の犬歯、奥歯は破折しやすい歯といわれています。
■ 歯が折れるとなぜ口臭が強くなるの?
歯が折れたからといって必ずしも口臭が出るわけではありません。
歯の内部まで損傷した場合、強い口臭が現れることがあります。
①歯の神経が感染する
歯の内部には「歯髄(しずい)」という神経や血管が通っています。
破折によって歯髄が露出すると細菌が侵入し、感染や炎症を起こします。その結果、組織が壊死し腐敗臭のような強い口臭が発生することがあります。
②根の先端に膿がたまる
感染が進行すると、歯の根の先端に膿がたまり「根尖病変」を形成することがあります。
この状態では、
・強い口臭
・歯ぐきの腫れ
・顔の腫れ
・歯ぐきから膿が出る
といった症状が現れることがあります。
③食べかすや細菌が入り込む
欠けた歯は凹凸ができるため、歯垢や食べかすが溜まりやすくなります。
細菌が繁殖すると歯周病も進行し、さらに口臭が悪化する悪循環に陥ることがあります。
【治療方法】
破折の程度によって治療法は異なります。
・神経まで達していない軽度の破折
⇨経過観察やエナメル質表面の修復処置
・神経が露出している
⇨抜髄・根管治療または抜歯
・感染が重度・修復が困難な破折
⇨抜歯が必要なことも
早期に治療を行うことで、抜歯せず歯を残せる可能性が高まります。
【予防するには?】
破折を予防するためには、日頃の生活習慣が大切です。
・硬すぎるおもちゃや骨・歯磨きガムを避ける
(⚠️文具ハサミで切れないものはNG)
・定期的に口の中をチェックする
(目安は半年毎)
・毎日の歯みがきを習慣化する
・定期的に動物病院で口腔内検診を受ける
■ 最後に
破折は見た目では小さな欠けに見えても、歯の内部で感染が進行し、その結果強い口臭や痛みなどの原因になることも少なくありません。
「急に口臭が強くなった」「歯が欠けているかもしれない」と感じたら、早めの受診が大切です。
早期発見・早期治療が愛犬の歯を守り、快適な生活につながります。
初診の方へ
お問い合わせ
LINE