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犬の歯が折れた…露髄のない破折歯をレジン修復で治療した一例

実は犬の歯は人の歯より強度が低く、割れやすいことをご存知でしょうか❓

歯が折れたり、欠けたりすること破折(はせつ)といい、犬では、上顎の第4前臼歯の破折が非常に多く見られます。

今回は、破折(象牙質露出)が確認され、レジンでの修復を行った症例をご紹介させていただきます🦷

レジン修復後

【症例】

  • 犬種 ヨークシャー・テリア
  • 年齢 3歳
  • 性別 避妊雌 
  • 病名 破折(象牙質露出)、乳歯遺残
  • 処置 歯石除去、乳歯抜歯、レジン修復
  •  

・Before

全身麻酔下で、口腔内の評価と歯科レントゲン撮影を行ったところ、左上顎第4前臼歯・右下顎第1後臼歯に破折(象牙質露出)と乳歯遺残が確認されました。

赤丸部分:破折部位

・After

赤丸部分:破折部位(レジン修復後)

破折(象牙質露出)していた部位は、レジン修復を行いました。

残っていた乳歯は抜歯を行いました。

専門の器具を使用し、歯に付着した歯垢や歯石を除去する「スケーリング」を行いました。

その後、研磨剤を用いて歯の表面を研磨し、表面を滑らかにすることで歯石を付きにくくする「ポリッシング」を行いました。

■ レジン修復とは?

「レジン修復」とは、コンポジットレジンという歯科用のプラスチックを用いて歯を修復します🦷

破折をしていても露髄(神経や血管などが通っている組織が露出)がなく象牙質(歯の内側の層)が露出している場合にレジン修復を行います。

■レジン修復を行うことで、

・破折部位から歯髄への細菌感染を予防

・歯の破折進行を予防

・咀嚼時の不快感を軽減

といったメリットが得られます🦷✨️

■修復を行わず放置した場合・・・

・象牙質がむき出しになり、知覚過敏が起こる(特に冷水や摩擦)

・細菌感染により歯髄炎、根尖病変を起こすリスク

・破折の進行により露髄へ悪化する可能性

歯石がたまりやすくなる

などの問題を引き起こす可能性があります⚠

■ レジン修復の手順

①下処理

レジンをしっかり歯に接着させるために、歯の表面(エナメル質)を薬剤で軽く溶かします。

この工程により、レジンが強く安定して歯に固定され、長持ちしやすくなります。

②レジンの充填

レジンを少しずつ重ねていき、欠けている部分を修復します。

③光照射で硬化

レジンは特殊な光で硬化させることで、しっかりと固まり歯の表面に密着します。

④研磨して完成

最後に研磨してつるつるに仕上げます。

■ 最後に

歯の破折は、硬いおもちゃやおやつを噛んだりすることで起こります。

破折の程度によっては、抜歯が必要となることもあります。

また、破折は早期発見・早期治療で歯の温存が可能な場合もあるため、日頃からお口のチェックをして、何か気になることがあれば早めに動物病院を受診しましょう。

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