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避妊・去勢手術

■ 避妊・去勢手術とは

避妊・去勢手術とは、メスでは卵巣や子宮を摘出(避妊)、オスでは精巣を摘出(去勢)する手術のことをいいます。

これらの手術を行うと、永久に妊娠する(させる)ことができなくなります。

近年の避妊・去勢手術の目的は、これまでの望まれない妊娠を避けるためだけではなく、将来的に起こる可能性のある性ホルモンに関連した病気の防止や性ホルモンによって誘発される発情徴候、スプレー行動、攻撃性、マウンティングなどの問題行動を防止することに重点が置かれています。

■ 避妊・去勢手術のメリット・デメリット

💡 避妊手術のメリット 

避妊手術は望まれない妊娠を避けるだけではなく、

生殖器の病気や性ホルモンによって起こる病気を予防することができます。

主な目的

・望まれない交配による妊娠を避ける

・生殖器の病気を予防する

   (子宮蓄膿症乳腺腫瘍、卵巣腫瘍、子宮・膣腫瘍、腟脱、偽妊娠など)

・性ホルモンに関連した問題行動を抑制する (発情徴候、マウンティング行動など)

💡 去勢手術のメリット 

去勢手術は望まれない妊娠を避けるだけではなく、

生殖器の病気や性ホルモンによって起こる病気を予防することができます。

主な目的

・望まれない交配による妊娠を避ける

・生殖器の病気を予防する

 前立腺肥大症精巣腫瘍、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫など

・性ホルモンに関連した問題行動を抑制する

 スプレー行動、攻撃性、 マウンティング行動など

💡 避妊・去勢手術のデメリット 

①麻酔

全身麻酔を必要とするため、リスクは0%であるとはいえません。

中には麻酔に対してアレルギーを持っている場合や、フレンチブルドッグ、パグ、ボストンテリアなどの短頭種では呼吸器の問題が起こりやすいので注意が必要です。

②肥満

避妊手術後は、基礎代謝率の減少によりカロリー要求量が減るので肥満になりやすい傾向があります。

肥満になると糖尿病や関節炎になりやすいので注意が必要です。

縫合糸のアレルギー反応

手術時の縫合糸によって異物反応が過剰に起こり、アレルギー反応が出てしまうことがあります。

ミニチュア・ダックスフンドにおいてこの反応が起こりやすいと言われています。

① 子宮蓄膿症

子宮内に細菌感染が起こり、膿がたまる病気です。出産経験がない高齢のメス犬に多く見られます。性ホルモンが長期間子宮に作用することで子宮が細菌感染を起こしやすくなることが分かっています。治療が遅れると死に至る可能性もあります。

② 乳腺腫瘍

乳腺の組織の一部が腫瘍化してしこりができる病気です。

犬の乳腺腫瘍の半数が良性・半数が悪性

猫の乳腺腫瘍の80〜90%が悪性と言われています。

乳腺腫瘍の発生には性ホルモンと深い関係があると言われており、

犬では避妊手術時期によって発症率に違いが出ることがわかっています。

初回発情前に避妊手術を受けると乳腺腫瘍の発生率は0.5%と言われています。

猫でも早期に避妊手術を行ったほうが乳腺癌発症のリスクの減少がみられることが報告されています。

① 前立腺肥大症

高齢のオス犬に多く見られ、精巣から分泌される性ホルモンによって前立腺が大きくなり、血尿や排便障害などの症状を引き起こす病気です。

 

② 精巣腫瘍

通常犬では、生後30日、猫では生後21日かけて精巣が陰嚢内に下降しますが、そのままおなかにとどまってしまうことがあり、それを潜在精巣と呼びます。

おなかにとどまっていても性ホルモンの分泌は行われます。おなかにある精巣は、陰嚢の中にある精巣よりも約10倍の確率で腫瘍化しやすいといわれています。一部の腫瘍は悪性で転移することもあるので注意しましょう。

高齢になるにつれ、発症のリスクが高くなるので早めの去勢手術が推奨されます。

■ いつ頃できるの?

歯が生え変わる6か月齢以降が目安とされていますが、健康であればいつでも手術を行うことは可能です。ただ性ホルモンによる問題行動は、その問題行動を起こした期間が長いほど手術後改善が見られないことが多いです。

そのため、手術を行う時期は生後6〜7ヶ月齢前後が望ましいと考えられます。

もちろん健康であれば成犬や成猫、また高齢になってからでも手術を実施することは可能です。繁殖の予定がない場合、ぜひ一度去勢手術について一度当院にご相談ください。

乳歯遺残がある場合は、手術と同時に抜歯することができます。

乳歯遺残はそのまま放置すると歯垢が付着しやすく、歯周病を招くことも。

自然に抜けない場合は抜歯を推奨いたします。去勢手術と同時に抜歯処置を行うことで、麻酔の回数を減らし身体への負担を軽減します。

■ 手術までの流れ

 👇 こちらをぜひご参考ください。 詳細はclick!!

■ 手術後は?

避妊・去勢手術後は太りやすくなることが知られています。

そのため、摂取カロリーに気を付ける必要があります。

手術を受けた犬や猫専用のフードもありますので当院ににご相談ください。

また、肥満になると排尿トラブルが生じやすくなります⚠️

・頻尿や血尿

・陰部をしきりに舐める

・排尿姿勢を取るのに尿が出ない

こんな症状が出る前に💦

…元気な時から尿検査の習慣を心がけましょう!

当院で避妊・去勢手術を実施したわんちゃん猫ちゃんを対象に、術後無料定期健診(体重測定、触診、聴診など)と尿検査を1回無料で実施しています。

ぜひこちらもご利用くださいね💡

(※手術日から3か月以内)

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