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歯科(歯石除去など)

ヒトと違い、犬に虫歯ができることはほとんどないんです。

では犬の口臭の主な原因は何でしょう?

―それは歯についた歯石と歯周病と言われています。

歯周病ってどんな病気?

歯を支えている歯周組織が破壊されていく病気です。

歯肉が赤く腫れたり、歯のぐらつきが生じ抜けたりします。口臭が増し、歯茎から出血しやすくなり痛みを伴うこともあります。

歯根に膿がたまると、眼の下や顎の下が腫れてしまったり膿性鼻汁を伴うことも。重症化すると顎の骨が折れてしまうこともあります。

細菌が血管に入って全身に悪影響を及ぼすこともあり、歯だけではなく全身の様々な臓器に影響を与える全身疾患です。

局所的な症状

✓ 歯肉が赤くなる

✓ 歯がぐらぐらする

✓ 歯根に膿がたまり腫れる、疼痛

✓ 顎の骨が折れる

全身的な症状

✓ 肺炎

✓ 心内膜炎

✓ 糖尿病

✓ 糸球体腎炎

歯周病と診断されたら…

歯石を除去し、歯周ポケットを清浄化することが 歯周病の治療および予防へとつながります

全身麻酔をかけたうえで、歯科用の器具を用いて歯垢・歯石を取り除いていきます。大事なのは『歯周ポケットをキレイにすること』。場合によっては抜歯をしたり、穴を縫ったりなどの外科的処置を行うこともあります。

その後、新たな汚れがつきにくくするため、歯の表面を研磨して滑らかにします。

 

無麻酔で歯石除去を行う場合もありますが、歯の表面の歯石を減らすことくらいしかできず、歯周ポケットにはアプローチできません。また、犬が怖がったり嫌がったりして口の中を傷つけてしまう可能性もあり危険です。その時の恐怖で口の中を触られることがトラウマになってしまっては元も子もありません。当院では全身麻酔下での治療をおすすめしています。

 

しかしせっかくキレイにしても、その効果は一生涯続くわけではありません。ご自宅でのデンタルケアが大切になってきます。

はみがきが必要なのはなぜ?

犬の歯垢が歯石に変わるのは約3日!

犬は人よりも歯垢が歯石に変わるスピードが早く、なんと3~5日で歯石になると言われています。(人は20日)

歯石は動物病院で麻酔をかけるなどしてクリーニングをしなければ取除けません。

歯垢の段階なら家庭で取り除くことが可能なので、歯垢が歯石になる前に1日1回の歯みがきを習慣づけましょう。

歯みがきのやり方

段階を踏んで、根気よく!

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いきなり歯ブラシから始めるのはNGです。歯ブラシを口に突っ込まれると嫌がるわんちゃんが大半なので、スムーズに歯みがきをするためには段階を踏んでいくことが大事です。

まずは口を触られるのを嫌がらない様にすること』を目標に頑張りましょう。ポイントは大げさなくらい褒めることです。

犬を膝の上にのせるなどしてリラックスした状態で指で口の周りを優しく触れるところから始めます。褒めながら大人しく触らせてくれたらご褒美をあげましょう。これを数週間続け、「口に触れられると良いことがある!」と認識させることが大切です。

次に好みのデンタルジェルなどを用いて指で歯や歯肉のマッサージ、ガーゼやデンタルシートなどで簡単な歯磨き、など段階的に歯を触らせることに慣れさせていきましょう。慣れてきたら歯ブラシに移行してみましょう。歯ブラシはヘッドが小さく、毛先が柔らかいものがおすすめです。

まずは1本ずつ、焦らずやっていきましょう。

楽しみながらでないと、犬のデンタルケアは続きません。デンタルジェルやデンタルガムなどをうまく使って、犬を楽しませながらデンタルケアを行えるといいですね。

  • 毎日の口腔ケアは大変だけど、
    私達ヒトも健康のために毎日やっていること。
    犬がいつまでも元気に過ごすために、
    一緒にがんばって行きましょう。

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