こんにちは副院長です
先日、当院の尿比重計が新しくなりました
尿検査はとっても重要な検査の一つ。
膀胱炎、尿路結石などの泌尿器疾患はもちろん、腎臓病や糖尿病などを早期発見できることもあるんです✨
今回は、尿検査でチェックするポイント尿比重
についてお話させていただきます
■ 尿比重(USG)
尿検査では尿比重を必ず測定します
尿比重とは、水の比重を1とした時のおしっこの重さをあらわします。つまりおしっこの濃さと捉えていただいていいでしょう。
尿比重を測るには採取した尿を、尿比重計に数滴垂らしスタートボタンを押すだけ❗️結果はなんと3秒後に出ます
犬と猫の尿は屈折率が異なるので、比重を測るには対象ごとに換算が必要でしたが、この尿比重計はボタン一つで犬用と猫用とに切り替えることが可能です
🐶犬の正常値:1.025〜1.040
🐱猫の正常値:1.035〜1.050
くらい
■ 尿比重が変化する要因
尿比重値が正常より下回る場合は尿の濃縮能力を低下させる腎臓病や、尿崩症や副腎皮質機能亢進症といった内分泌疾患(ホルモンの病気)などが考えられます。
正常値を上回る場合は脱水などが考えられ、尿石症のリスクが上がります。
尿比重は環境、食物の種類や飲水量、運動量によっても変化します。
現在の尿比重測定の推奨されるタイミングは、一日で最も濃縮された尿が得られる可能性が高い朝一番の尿サンプルです🌞
【理想的なおしっこ】
・朝イチのもの
・できるだけ時間の経過していない新鮮なもの
・できるだけおしっこ以外のものが混入しないように
ドライフードとウェットフードを食べているかの違いでも、尿比重に違いが出てくると言われています。結果の解釈には注意が必要です⚠️
■ 低比重尿について
健常な比重よりも低いであろう比重の尿を低比重尿と呼びます。低比重尿のうち、1.008〜1.015くらいの尿を等張尿、1.008未満の尿を低張尿と呼びます。低比重尿の場合、多飲多尿を示していることが多いです。
【多飲多尿になる病気】
・腎臓病
・子宮蓄膿症
・電解質異常
・副腎皮質機能亢進症
・副腎皮質機能低下症
・甲状腺機能亢進症
・心因性多飲
・糖尿病
・肝機能障害
・塩分過多
など
■ まとめ
おしっこからわかることは非常に多いです。今まで尿検査を実施したことがないわんちゃん・猫ちゃん、1度検査をおすすめします
ただし尿比重は日々の生活環境に大きく左右されるため、尿比重検査は複数回計測し、信憑性を得る必要があります。
尿検査を定期的に実施して病気の早期発見・早期治療に努めましょう❣️