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ポメラニアンに多い皮膚疾患🐶

こんにちは。院長の石村拓也です👨‍⚕️

さて、今回は…✨

ふわふわとした愛らしいシルエット、豊かな毛に、よく動く尖ったお耳🐶❤

そう。“ポメラニアン”ですね❣️

元気一杯で好奇心旺盛、遊び好き🎶

今回はこの魅力的な“ポメラニアンで多く見られる皮膚疾患”についてお話させていただきますす🤓

ポメラニアン

ドイツが原産の犬で、サモエドが始祖犬とも言われています。

東欧で小型化されたものがイギリスで愛好され、19世紀中頃から小さなタイプが流行し、今日の犬種に同定されました。

顔はタヌキ顔かキツネ顔があります。

 

特徴① ふわふわの毛

全体的にふわっとした長毛で、しっぽは背中に向けて巻いており独特な豪華な毛ぶきが特徴です。

毛並みはダブルコートで、顔まわりや胸元の毛は長めです。

特徴② 細い四肢

四肢が細く、成長期に簡単に骨折することがあります。

膝蓋骨脱臼などの整形外科疾患が発生しやすく、しびれや痛みがもとで四肢を舐め壊し、皮膚病を発症することも。

毛周期停止(アロペシアX,脱毛症X)

■ 毛周期停止(アロペシアX、脱毛症X)ってなに?

ポメラニアンに多く見られる、原因不明の脱毛症

ポメラニアンに多い皮膚疾患といえば、毛周期停止”が挙げられるでしょう。

以前は別名“アロペシアX”や“脱毛症X”とも言われていました。

ポメラニアン以外でもトイ・プードルパピヨンなどでも見られます。 

痒みのない広範囲の脱毛が起こります。左右対称性な脱毛が起こることから、何らかの内分泌疾患の関与が疑われていますが、毛周期停止の病態はまだはっきりとはわかっていません。

■ 症状

体幹に脱毛が見られ、顔面と四肢の一部では毛が残ることが多いです。

脱毛部分は左右対称性で、脱毛した部分は色素沈着がよく見られます。毛は徐々にゴワゴワした毛に変化し、ツヤがなくなっていきます。

皮膚の乾燥や二次的に皮膚炎を生じることがあり、それに対して治療が必要になる場合があります。

■ 治療

残念ながら今のところ、毛周期停止に対する決定的な治療法は見つかっていません。これまで色々な治療法が検討され報告されています。

1つの治療法だけでなく、複数の薬や治療法を試してみると良い反応を得られることもあります。

 

この「毛周期停止」という病気は、脱毛以外に異常はなく予後良好な病気なので、「無治療」という選択肢もひとつでしょう。

保湿剤

〈治療法〉

・内服薬(ホルモン製剤やビタミン剤など)

・去勢手術(オスの場合)

・食事の改善

・ダーマローラー(皮膚に刺激を与えて発毛を促す方法)

など

毛周期停止では顕著な皮膚の乾燥が見られることが多いので、皮膚バリアの改善を目的に保湿剤を積極的に使用することをお勧めします。また、露出した皮膚は紫外線に弱いので、外出時はお洋服などを着せてあげるといいですね。

 

■ まとめ

ポメラニアンに多い“毛周期停止”という病気は、まだまだわかっていない部分が大きい病気です。

ですが、わんちゃんの見た目は飼い主さんにとって、大変気になる問題ですよね💦もし治療する場合は以下の点に気をつけて治療することをお勧めします🏥

〈治療のポイント〉

①脱毛以外に体調に影響する問題はない

②発毛させられる可能性はあるが、一般的な発毛率は60%ほど

③治療期間は3〜6ヶ月が目安

④必ずしも治療が必要な病気ではないので、安全性やQOLの方を優先

もしかしてうちの子、“毛周期停止”かしら?なんて思うことがありましたら、ぜひ当院にご相談くださいね👨‍⚕️

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