こんにちは。院長の石村拓也です👨⚕️
さて、今回は…✨
鼻ぺちゃ、丸顔。コロンとした体型🐶❤
そう。“シー・ズー”ですね❣️
おおらかで優しく友好的、その一方で陽気で活発なところもありますね🎶
今回はこの魅力的な“シー・ズーで多く見られる皮膚疾患”についてお話させていただきますす🤓
シー・ズー
チベットが原産であるラサ・アプソを祖先とした犬種であり、中国でペキニーズとラサ・アプソを掛け合わせることによって作出されたと言われています。
チベットや中国などの乾燥した気候にも耐えられるよう、水分が逃げないように皮脂腺から油分が分泌され、皮膚表面を覆うよう進化してきたとされています。
日本においては湿度の高い夏場を中心に皮膚トラブルが発生しやすいです。
特徴① 顔面のしわ
シー・ズーは短頭種に分類され、顔面には多くのしわが存在します。しわには皮膚の汚れがたまりやすく、適切なケアを怠ると皮膚炎になりやすいです。
また、シー・ズーはドライアイなどの眼科疾患も多く、涙や目やにによる皮膚炎も生じやすい。
特徴② 脂漏
皮脂腺から分泌される皮脂のバランス異常です。
皮脂が過剰に産生される場合だけでなく、皮脂を構成する脂質のバランスが崩れている可能性があります。
シー・ズーは体質的に脂漏が発生しやすいです。
シー・ズーで多い皮膚疾患
シー・ズーで気を付けたい病気はけっこう多いです😱💦
今回は、特に多く見られる皮膚疾患をご紹介します。
① 犬アトピー性皮膚炎
シー・ズーはアトピーの好発犬種
シー・ズーは犬アトピー性皮膚炎の好発犬種です。
※犬アトピー性皮膚炎に関して、詳しくはこちらをチェックしてね😉
シー・ズーのアトピー性皮膚炎は脂漏症やマラセチア性皮膚炎を併発することが多く、治療においてスキンケアがとても重要になってきます。
積極的に皮脂を除去することや、抗菌作用のあるシャンプーで洗浄することは、皮膚バリア機能が低下したアトピーのわんちゃんでは負担になることがあります。
アトピーのシー・ズーでは皮膚の状態に応じたシャンプー剤の選択とバリア機能を補填するための保湿がとても重要です。
② マラセチア性皮膚炎
脂が大好き。酵母様真菌 “マラセチア”
マラセチアは脂を好む酵母様真菌、いわゆるカビです。マラセチアはもともと皮膚に存在する常在菌ですが、過剰に増えることにより皮膚炎や過敏反応を引き起こします。
皮脂分泌が多いと、主に皮脂を利用して生活しているマラセチアは増殖しやすくなります😣💦皮膚症状は、皮脂分泌が盛んになる夏季に悪化する傾向があります🌞
マラセチア性皮膚炎が繰り返される場合、脂漏症やアトピー性皮膚炎に起因する皮膚バリア機能の低下、内分泌疾患による免疫力低下などの存在が示唆されます。
マラセチア性皮膚炎の治療はシャンプーや保湿をはじめとしたスキンケアや抗真菌薬などの薬物療法を組み合わせて行います🧴💊
シー・ズーのマラセチア性皮膚炎では脂漏の管理が治療のカギです🔑🐶❣️
皮脂の除去を目的として、角質溶解・抗脂漏成分のシャンプーや皮脂を溶解するクレンジングオイルなどを用います。皮脂を除去する際には、必要な皮脂まで除去してしまい皮膚バリア機能が低下する可能性があるのでシャンプー後は必ず保湿剤などを使用しましょう。
また、生活環境の温度および湿度の管理(特に梅雨から夏季)、脂質や糖質などの過剰摂取の中止が必要になる場合もあります。
③ 脂漏症や角化不全(ふけ)
皮脂のバランス異常
脂漏症はその名の通り、皮脂が漏れる、と書きます。一般的には皮脂が過剰な状態とされていますが、脂漏症の本質は皮脂のバランス異常であり、単純に皮脂の分泌が多くなるだけではなく、皮脂を構成する成分のバランスが悪い場合もあります。
原因としては体質的な要因や、ホルモン疾患、偏った栄養バランス、誤ったスキンケアなどが挙げられます。
皮膚は一定の周期で新しく生まれ変わっています。
表皮の一番下にある基底層で作られた細胞は、成長に伴って徐々に皮膚の表面へと押し上げられていき、フケとなってはがれ落ちていきます。
このようなサイクルをターンオーバー(新陳代謝)といい、健康な犬では約3週間と考えられています。(人では約4週間)
皮脂のバランスが悪化すると表皮のターンオーバーに変動が起こり、3週間を待たずに細胞が剥がれ落ちフケっぽい肌になります。(角化不全)
④ 皮脂腺腫
皮脂腺を由来とする良性の皮膚腫瘍です。詳しい病態はまだわかっていませんが、皮脂腺の過形成が原因といわれています。
シー・ズーで好発する傾向がありますが、他の犬種でもよく見られます。
■ まとめ
シーズーはなかなか皮膚のトラブルが多い犬種なんですね💦
若いうちから脂漏症などが発生した場合、根治は困難で生涯にわたるスキンケアが必要になる場合もあります
皮膚のトラブルでお困りの際は、ぜひ当院にご相談ください🏥