こんにちは。院長の石村拓也です👨⚕️
犬アトピー性皮膚炎は完全に治すことが難しいと言われています
しかしアトピーのつらい症状を和らげ、病気とうまく付き合っていくために、今現在アトピー性皮膚炎には様々な治療法が提案されています
そこで、今回はアトピー性皮膚炎の新たな治療のひとつ、『サイトポイント』についてお話しさせていただこうと思います
■ アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎はアレルギーの一種
アトピー性皮膚炎はアレルギーの一種で、体に侵入してきた異物(アレルゲン)に対し、もともと体のために働くべき免疫の機能が過剰に働いてしまうことから起こります。
犬種によってアトピー性皮膚炎になりやすい傾向が報告されており、柴犬、シー・ズー、ゴールデン・レトリーバー、ウェストハイランドなどが好発犬種と言われています。
■サイトポイント® (有効成分ロキベトマブ)
1回の注射で約1ヶ月間痒みを緩和
2019年12月、『サイトポイント』という注射薬が発売されました💉
これは1回の注射で約1カ月間、犬アトピー性皮膚炎による症状(主に痒み)を緩和する長期持続型のお薬です。
抗体医薬と呼ばれ、近年注目されている医薬品です。痒みを誘発する主なサイトカイン(体内生理活性物質)であるインターロイキン31という物質を特異的にブロックすることで痒みを軽減します。
■サイトポイント療法の方法
初めの4カ月間は、1カ月に1回注射します💉
それ以降は、約1カ月ごと、あるいは痒みがぶり返して来たら速やかに適宜追加注射を行っていきます。
他の薬とも併用OKです💊
■ サイトポイントのメリット・デメリット
【メリット】
・毎日の投薬の手間がない
・即効性(注射後24時間以内に効果を発現)
・他の治療(ステロイドなど)と併用可能💊
・副作用が少ない
【デメリット】
・投与方法が注射💉
・やや高価
・有効率はアトピー性皮膚炎の犬の6−7割
サイトポイントは1ヶ月に1回の注射薬なので、投薬や通院の手間が少なくなります。毎日の投薬が大変という方にはおすすめですね
このお薬はあくまで「アトピー性皮膚炎」の治療薬ですので、他の皮膚病には原則使用しません。
痒みがあるからといってむやみに注射するのではなく、“アトピー性皮膚炎である”という正確な診断が要求されます。
サイトポイントは、いわば“痒み止め”のお薬で、アトピー体質を根本的に治すお薬ではありません。維持するためには、継続して使用する必要があります。
また、すべてのアトピー性皮膚炎の犬に効果があるわけではなく、有効率は6−7割とされています。
■ まとめ
いかがでしたでしょうか?
犬アトピー性皮膚炎のワンちゃん全てに劇的な効果が認められるわけでは有りませんが、アトピー治療の有効な選択肢の一つと考えられます!
生涯つきあっていかなければいけないこの疾患に対し、心強い治療薬が一つ増えたことには違いありません。
アトピー性皮膚炎のわんちゃんでお悩みの方はぜひご相談ください