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心臓病を血液検査で診断🫀❓

こんにちは。院長です👨‍⚕

心臓病は犬・猫の死因の上位に入ります🫀

心臓病は初期の段階では症状が出ないことも多く、症状が出た時には病気が進行していることが少なくありません😥

そのため病気を早期に発見し、症状に応じた治療を行い病気の進行を遅らせることが非常に重要になります。

今回は犬も猫でも有用な心臓病バイオマーカー“NT−proBNP”についててお話していきたいと思います。

■ 心臓病はどのように調べるの?

心臓病はどのように診断するのでしょうか❓

まずは、身体検査聴診器で心臓の音を聞くことで心臓病があるかどうかの手がかりを得ます。心雑音や不整脈などがないか確認します。

また、レントゲン検査心臓エコー検査心電図血液検査等から総合的に臨床診断を行います。特に心エコー検査は大事な検査になります。

聴診で心臓の音をチェック
レントゲン検査で見られた心肥大

■ NT−proBNP

血液中のNT−proBNP濃度を測定する検査です。BNP(B型ナトリウム利尿ペプチド)は、心筋に負担がかかったときに放出されるホルモンで、心臓バイオマーカーとして使用されます。

犬の慢性心不全の診断や予後予測、猫の心筋症の早期診断に用いられます🐶😺

少量の血液を採取し検査することが可能です。健康診断の血液検査などで項目を追加することがおすすめです。

ただ、万能の検査ではなく心臓病があってもBNPが上昇しないこともあったり、他の疾患などで高値を示すこともあるので注意が必要です。心臓病の診断には、心臓エコー検査などもあわせた総合的な評価が必要です。

ただ、心臓エコー検査を実施するためには、少なくとも数分間、横になって動かずにいてもらう必要があります。じっとしたり抑えられるのが苦手なわんちゃんネコちゃんにはストレスになるかもしれません💦

そんな時にBNPの血液検査はスクリーニング検査として有用ですね💉✨

■ 猫で多く見られる心臓病 “心筋症”

猫の心臓病の大半は、肥大型心筋症という心臓の筋肉が厚くなり、十分な血液を全身に送れなくなるタイプの心臓病とされています。

【好発猫種】

・メインクーン

・ノルウェージャン・フォレスト・キャット

・アメリカン・ショートヘア

・スコティッシュ・フォールド

・ラグドール

などで遺伝性の関与が示唆されていますがどの猫種でもなる可能性があります。メスよりもオスの発生が多く、5~7歳での発症が1番多いですが、どの年齢でも起こりうる病気です。

初期は症状がほとんどありません。健康に見える猫の約15%に肥大型心筋症が見つかったという報告もあるほど💡健康診断のときに、偶然見つかることも多いです。

病気の進行に伴って、元気がなくなったり徐々に疲れやすくなるなどの症状が出始めますが、ゆっくり進行する場合はそれも気づかれないことが多いです。

重度に進行すると最終的には肺水腫になったり胸水が溜まり、呼吸困難を引き起こします。

また心筋症では、心臓内に血栓が形成されることがあります。この血栓が血流に乗り細い血管に塞栓してしまうと、急性腎不全後肢麻痺突然死などを引き起こします。血栓症は、発症すると極めて死亡率の高い合併症で、海外では安楽死が選択されるケースも多いです。

■ まとめ

特にネコちゃんの心臓病は早期発見が困難であり、発症するとネコちゃんの生活の質を著しく低下させ、生命に直結する重大な病気です。

BNPという血液心臓マーカーをうまく利用して、心臓病の早期発見に努められるといいですね。

健診などで血液検査をする際には、ぜひ項目追加を検討してみてください。

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