あけましておめでとうございます🎍
看護師主任の齊藤です
コロナウイルス感染症の流行により、“抗体価検査”というワードも以前よりも一般的になりましたね。
今回は犬猫における“抗体価検査”とは、どんなものなのか❓
どのようにして検査を行うのか❓行うことによってどんなメリットがあるのか❓などをお話していきたいと思います。

■ 抗体価検査
犬猫の伝染病は、ワクチン接種による予防がとても重要です💉
ワクチン接種の目的は、免疫状態を保持すること💉
ワクチン接種を全くしなければ、いずれ免疫が低下し伝染病に感染する危険があります💦
免疫状態の指標として、“抗体価”があります。
抗体価検査は、抗原に対して対抗する物質(抗体)がどのくらいあるかどうかを調べる検査です。
重要な感染症に対する対するワクチン効果の保有状態を、数値化して評価することが可能です。
少量の血液を採取して検査を実施します。

■ 抗体価検査のメリット
基本的にはワクチンは1年に1回追加接種を行ないます。(初年度に関しては2〜3回の接種を行います)
抗体価検査を利用すると、重要な感染症に対する抵抗力がどのくらい残っているか確認することができます。
十分な抗体価があれば、その年のコアワクチンの接種は不要であり、ワクチンによる副作用のリスクを回避できますし、次の追加接種の時期を決定する参考になります💉
また、まれにワクチンを何度接種しても抗体がきないorできにくい「ノンレスポンダー」「ローレスポンダー」という特異体質の子が存在します。抗体価検査では、ご自身の愛犬・愛猫がそういった体質ではないかの確認をすることも可能です。

■ 抗体価検査のデメリット
抗体価検査では残念ながら“コアワクチンの抗体”しか調べることができません。
コアワクチンの抗体価が高いからと、混合ワクチン接種を実施しなかった場合、コアワクチン以外のノンコアワクチンで予防できるはずだった感染症に感染してしまうリスクがあるので注意が必要です⚠
また、結果がでるまでに1〜2週間ほどかかったり、ワクチン接種以上の費用がかかることもあります。
抗体価検査の結果、十分な抗体がなかった場合は、ワクチン接種が必要になる場合があります。

■ こんなわんちゃんねこちゃんに…🐶🐱
① ワクチンに対するアレルギー反応が認められたことがある
② ステロイド剤で治療中である
③ 免疫抑制剤で治療中である
④ 持病がある
⑤ 抗がん剤で治療中である
⑥ 高齢

■ 抗体価検査という選択肢
抗体価検査は、抗体による免疫力を維持しながらできるだけリスクを減らしたいというオーナー様には有効な手段だと感じます。
・毎年混合ワクチンを接種する
・抗体価検査を実施する
どちらが正しいと言うのではなく、それぞれのメリット・デメリットを考慮に入れ、年齢・持病・ライフスタイルを加味し、その子にあった選択を行うことが大事でしょう。
