こんにちは。院長です
今回は耳にヒゼンダニが寄生することによって生じる病気、「耳ダニ症」についてご紹介させていただきます🐶
耳ダニ症
ミミヒゼンダニ症、耳疥癬(みみかいせん)とも呼ばれます。
犬猫だけでなく、タヌキ、フェレットなどでも発生します。まれではありますが、ヒトへの感染例も報告されています。
【原因】
ミミヒゼンダニの耳への寄生を原因とします。
ミミヒゼンダニは体長0.3〜0.5mmほどの小さなダニで、生活環(卵・幼虫・若虫・成虫)を外耳道皮膚表面で過ごし、生涯を耳の中で送ります。感染が重篤化すると、宿主動物の頭部、背などの体表を徘徊する個体もいます。
炎症産物や耳垢を食べて生活しています。活発に動き回るため、かなり感染力が強く容易に伝染します。
ミミヒゼンダニは宿主から離れても数日単位で環境中で生存可能です。脱落した耳垢片、ダニの付着した被毛などは感染源となるため、同居動物は特に注意が必要です。
【症状】
・耳や頭を振る、壁や床にこすりつける
・茶褐色~黒色の耳垢
・耳が臭う
・痒みからくるひっかき動作により、耳周囲に傷ができることも
軽度感染では無症状のこともあります。
感染が重篤化するほど痒みは強くなり、耳道内に茶褐色~黒色の耳垢がみられます。
ダニの唾液や排せつ物により外耳道に炎症が起こることがあります。細菌や真菌などの二次感染によりより症状は悪化します。
【診断】
耳鏡により、耳道内で動くダニを確認します。
または、耳垢の顕微鏡検査でダニおよび卵を検出することにより診断します。
【治療】
感染動物は隔離します。
耳道内に耳垢が存在する場合は、耳道洗浄をしっかりと行い物理的にダニを減らし、ダニの駆除薬を投与します。駆除薬は成虫と幼ダニは駆除することができます、卵は駆除することができません。
1回だけの駆除薬だけでなく耳ダニを根絶するまで治療を続けることが大切です。
【まとめ】
重篤化すると大量の耳垢形成や強い痒みのみならず、中耳や内耳に炎症が波及し斜頸や神経症状を引き起こすこともあります。
早めの発見が大切ですね。なかなか治らない外耳炎などはぜひご相談下さい。